
小型原子炉(SMR:小型モジュラー原子炉)に力を入れている、または今後関与する可能性が高い電力会社の「まだ割安・格安な電力株」について
小型原子炉(SMR:小型モジュラー原子炉)に力を入れている、または今後関与する可能性が高い電力会社の「まだ割安・格安な電力株」について、アメリカおよびアメリカ以外の状況をまとめます。
アメリカのSMR関連電力株
SMR開発・普及を推進している主な電力会社・関連企業
- Tennessee Valley Authority (TVA)
- Duke Energy (NYSE: DUK)
- American Electric Power (NYSE: AEP)
- NuScale Power (NYSE: SMR)
- Oklo Inc. (NYSE: OKLO)
割安・格安な電力株(ユーティリティ)の一例
- Edison International (NYSE: EIX)
- Morningstarの価格/公正価値が0.64と大幅に割安4。
- ただし、SMRには直接関与していません。
- Portland General Electric (NYSE: POR)
- 価格/公正価値0.83、やや割安4。
- SMRへの直接関与は未確認。
- Eversource Energy (NYSE: ES)
- 価格/公正価値0.85、やや割安4。
- SMRへの直接関与は未確認。
- The AES Corporation (NYSE: AES)
- 価格/公正価値0.87、やや割安4。
- SMRへの直接関与は未確認。
- PG&E Corporation (NYSE: PCG)
まとめ
SMRに直接関与している上場電力会社はDuke EnergyやAmerican Electric Powerなど大型ユーティリティが中心で、いずれも「格安」とは言い難い水準です。割安な電力株(Edison Internationalなど)はSMRにはあまり関与していません。SMR分野の新興成長株(NuScale、Oklo)は高リスク・高ボラティリティです。
アメリカ以外のSMR関連電力株
- カナダ
- Ontario Power Generation(OPG)はBWRX-300導入を進めており、SMRのパイオニア的存在ですが、非上場です。
- カナダの上場ユーティリティ(例:Hydro One、TransAlta)はSMRへの関与は限定的。
- イギリス
- Rolls-RoyceがSMR開発を進めており、上場していますが、純粋な電力会社ではありません。
- ロシア
- RosatomはSMR(浮体式原子炉)を既に実用化していますが、上場していません3。
- その他
- フランス・EDF、韓国・KHNPなどもSMR開発に関与していますが、上場している純粋な電力会社は少なく、また「格安」とは言い難いケースが多いです。
結論
- アメリカで「SMRに力を入れそうな電力会社の割安株」は、現時点では存在しにくい状況です。
- SMRに積極的な大型ユーティリティ(Duke Energy、AEP)は割安度が標準的。
- 割安な電力株(Edison Internationalなど)はSMRにはあまり関与していません。
- SMR新興株(NuScale、Oklo)は高リスク・高ボラティリティ。
- アメリカ以外でも、SMRに積極的な上場電力会社で「格安」な株はほとんどありません。
- カナダ・イギリス・ロシアなどもSMR開発は進んでいますが、上場している純粋な電力会社や「格安」株は見当たりません。
SMR分野への投資を考える場合、新興成長株(NuScale、Oklo)か、SMR関連のサプライチェーン企業(BWX Technologiesなど)に注目するのが現実的です。